キラリ光る女子トップ >vol.29
助産院「マミィケア ひだまり」/篠田亜希子さん
「赤ちゃんがおなかにいる時から、育児は始まっているんです」。そう力強く言い切るのは、助産師の篠田亜希子さん。健康な母体づくりと、それに伴い骨盤を整える「骨盤ケア」、“赤ちゃんの気持ちいい”にこだわった発達支援を行う「べびぃケア」を提唱しています。
看護短大を卒業した後、医科大学の助産専攻科へ。結婚・出産の間に仕事を離れていた期間を除き、その後ずっと産科に携わってきました。その年数はおよそ10年以上。「助産師は、お母さんたちが笑顔で妊娠~育児に向かい合うことができるよう、陰ながらサポートをするのが仕事。そこに魅力を感じています」。
篠田さんの転機は、自身の産後に再就職した総合病院で訪れました。病院宛てに届いたあるチラシが目に留まったのです。それは、“安全・快適な妊娠・分娩、楽しい母乳育児をするための骨盤ケア”を提唱する「母子整体研究会」(現:母子フィジカルサポート研究会)という団体のセミナー案内でした。
実は篠田さんは長男を産んで半年くらい経ったころ、骨盤まわりのひどい痛みに悩んだのだそうです。起きあがることのできない強い痛みに我慢ができず整形外科を訪れたところ、ひととおりの問診ののち、コルセットと湿布というごく一般的な処置で診察は終わりました。納得できない思いで病院をあとにしましたが、そのうちどうにか痛みもとれて通常の生活を送るようになったそうです。
「あの時の痛みの原因が知りたい。同じように悩んでいるお母さんたちにも助言ができたら」と、セミナーに参加。実際にそこで聞いた話は、“助産師としてもっと学ばなければ!”という意欲をかきたてるに十分のものばかりでした。自動車や洋式便所の普及する現代で体全体の筋力が育ちにくくなっていること、そのことが骨盤の緩みやゆがみの原因になっていること、それらが早産や難産の原因にもなり得ること・・・
その後の篠田さんは、助産師として働きながら、精力的にさまざまな勉強会に参加するようになります。また、2010年より出張専門という形で、「マミィケア ひだまり」を開業。多くのお母さんの支えになってきました。現在は病院勤務を退職、よりお母さん達に寄り添える形になればと、廿日市市にオープンしたサロンを中心に、希望に応じて出張相談や施術も行っています。
「マミィケア ひだまり」には、妊婦さんだけでなく、産後のお母さん達も数多く訪れます。痛みのあるお母さんには手技療法(カイロプラクティック・オステオパシーなど)の施術を行い、自宅でもできる簡単な体操などを伝えています。また、食生活や授乳指導、スリングの使い方など、はじめての育児でわからないことを具体的に教えてもらえるのも人気の秘密です。
困ったことがあったら気軽に聞いてほしいからと、助産師仲間6名で「すこやか家族ひろば ほっぺ」というサークルも立ち上げました。廿日市市市民センターで月に一度活動しているこちらのサークルにはつねに助産師の誰かが参加していて、赤ちゃんの体重を量ったり育児相談を聞いてもらえます。様々なイベントも開催していて、「ママ友達ができた」「おしゃべりが楽しかった」と、多くの喜びの声が届いています。
これから出産をむかえる人にも、すでに母親として頑張っている人にも、篠田さんの存在とその活動はとても心強いものになる―同じ母親として、強くそう感じました。
「マミィケア ひだまり」 http://hidamari-mam.p-kit.com/
「すこやか家族ひろば ほっぺ」 http://ameblo.jp/sukoyaka2011hoppe/